三人のイケメンパパと、小さな月姫
「ほれ、コーヒー」
「ありがとう」
真木が買って来てくれたコーヒーと
軽い朝メシの入った袋を受け取る
後ろを向いて
ハルトにも渡そうとしたけど
…もう完全に、俺達は無視
前を向いて
おにぎりのテープを、そっと引いた
「岡田、そのコ来たら教えるから
オマエ、声かけに行けよ」
「えっ?!何で俺よ?!」
「ナンパはオメエの、専売特許だろ?」
「………」
確かに得意だけど…
まさか校門前で
声をかけるわけにはいかないので
車を停めているのは
学校を見渡せる、少し離れた場所
右と左から、二つの流れがあって
駅から登校して来る生徒と
バスや自転車で登校して来る
地元組の生徒が、使っている道
… どうすっかな
つかまえたとしても、ハルトいるし
車に連れて来て、大丈夫なのか…?
とは言ってもこの辺、コンビニしか
開いている店が無い
ゆっくり話せる場所を探して
駅まで二人、戻るとしても…
「岡田、あのコだ」
「――― えっ!」