三人のイケメンパパと、小さな月姫



こっちに向かって来る女子高生


「…誰?」

「え〜?…知らな〜い」


"声もかけずに
女の子を呼ぶ方法"


"どうすんだよ"って

舗道のガードレールに座って
『ただそっちを見てるだけ』としか
言いようがないんだけど…




―― "何かあったの?"


そんな雰囲気と一緒に
女子高生達独特のクスクス笑いが
前から、少しづつ拡がって


下を向きっぱなしの、女の子の元にも
その小さな波が届いた




ガードレールから
腰をあげて、お辞儀


不思議そうな顔をしながらも
女の子はその場で
俺が歩いて行くのを 待っていてくれた




< 112 / 203 >

この作品をシェア

pagetop