三人のイケメンパパと、小さな月姫
こっちに向かって来る女子高生
「…誰?」
「え〜?…知らな〜い」
"声もかけずに
女の子を呼ぶ方法"
"どうすんだよ"って
舗道のガードレールに座って
『ただそっちを見てるだけ』としか
言いようがないんだけど…
―― "何かあったの?"
そんな雰囲気と一緒に
女子高生達独特のクスクス笑いが
前から、少しづつ拡がって
下を向きっぱなしの、女の子の元にも
その小さな波が届いた
ガードレールから
腰をあげて、お辞儀
不思議そうな顔をしながらも
女の子はその場で
俺が歩いて行くのを 待っていてくれた