三人のイケメンパパと、小さな月姫
「… うちの学校
新学期始まってすぐに
テストが、あって
それで夕方…勉強してたんだけど
全然…なきやんで…くれなくて」
「散歩か何かに出たの?」
「… はい」
「なんで、俺の家の前に?」
俺の部屋は
マンションの三階だ
「…友達が」
「え?あのマンションに
友達さ、住んでるの?」
井上さんは、首を横に振る
「…歩いてたら、友達が
前から歩いて来てて
―― 見つかったらヤバイ …っから…
ちょうどすぐ横に
マンション、あって…
それでエレベーターの中入って
テキトーにボタン、急いで押して…」
「見つかったらヤバイって…
内緒って…でも
… お腹にいたとき
いくらなんでも、周りに解るだろ?」
井上さんは
また首を、横に振った
「… 六ヶ月 …すぎるまで
ぜんぜん、気がつかなくて…
お腹もあんまり、大きくならなかったし
ちょっと、太ったかなとは
思ったんです…けど」
「つか、来てなかったろ?」
「あー…
元々 不順だし…
ダイエットしたりもしたから
それでかなあ… って」