三人のイケメンパパと、小さな月姫





バッターボックスに立ち、構えた
真木が面白そうに、こっちを見てる


何年ぶりかな、バット握ったの





「井上さん」


「…… ? 」


「俺がこの球、打てたらさあ
彼氏の所 会いに行こう」


「…え…」


「オカダ選手〜
速度設定、変えてねえぞ〜」


「わかってる

――― 井上さん、 いい?」




ジッと見てたけど
案外早く、井上さんは 首をタテに振った


真木がなかなか打てなかったのは
それなりにわかっていたろうに


「… いいの?
そんなに簡単に、返事さしても」


ちょっとした運試しみたいな
だけど実は結構、重要な"カケ"




また井上さんは
今度は、ちょっとだけ真剣に
首をタテに振った




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