三人のイケメンパパと、小さな月姫
背後から響く ハルトの声
一瞬にして、凍り付いた空気
… それは…ある意味、本当の事
だけど
「オイ、ハルト待てや!
どこ行くんだよ」
「…小さな子に、長い移動は酷
―― 会わせたいなら
男自ら、会いに来させろ」
出口にハルトが
月姫を連れて行こうとした時
… それまで車の中でも
俺が運転して、井上さんは 助手席で
一度も後ろを振り返らなかったし
見るのを怖がっている感じだったのに
その彼女が 反射的に
ハルト達の、後ろ姿を追った
… でも、ハルトは無視
結局ドアは開き、静かに閉まって
タクシーか何かで移動したのか
車を駐車場に、置いたまま
ハルトはどこかに消えてしまった