三人のイケメンパパと、小さな月姫
それはきっと、命を宿したら
誰でもするかもしれない、幸福な想像
「…人形じゃねえからな
腹の外に出て来たら
もう自分の意思があるだろ
ハラ空いた、何かしたい、コレが欲しい
思うようには動かねえよ
イノウエさんと、一緒だ」
「――… そっかぁ…
… そう、ですよね…」
まるで今
初めて気がついた事の様に
井上さんが、真木に返事をした
「そういえばさ
彼氏って、どんな奴なの?」
「え…」
「一応、話さしに行くんだし
聞いておいた方がいいから」
「あー…えっと…
かなり女子に人気あって…
でも…サッカー
一筋なのもあるんだろうけど
長くつきあってるのは聞いたことなくて
… 女子とはいつも一緒にいたけど
別に誰がとかは…聞いたことないんで
珍しいって言われたんですよね
私、カレが転校するまでは
結構、いつも一緒にいたんで…」
「…なんか
聞いたコトあるような話ですネ」
「………」
「あ…そっか
カレがどんな人かって
…そういう話だった…」
「いいよ、続けて」