三人のイケメンパパと、小さな月姫
□使者
そして俺達の前に
立ちはだかったのは
結構高く、成長した木々でも
三階建てを取り囲む、外壁でも無くて
「…"門限は、19時
面会は、日曜日"のみか」
閉じられた門にあった
薄い、そして厚い、規律のプレートだった
他にもスポーツ特待生が
この寮には多い事もあって
部外者への警戒も、かなり厳しい
だからまず、彼氏本人に携帯
井上さんに かけて貰ったんだけど
「…出…ません」
さあ、どうしよう
古典的な呼び出し方
『窓に小石』って案が浮かんだけど
どの明かりの中にいるのかわからない
「つか真木、彼氏、帰ってるのか?」
「サッカー部は終わってる
さっき聞いた限りではな」
「…そっか」
「―― なんかぁ…
…やっぱり、ムリっぽいですよね!」
「――― 井上さん…」