三人のイケメンパパと、小さな月姫
「オイ 岡田!どこ行く?」
「… 彼氏連れて来るに決まってるすけ」
「どうやって」
「あ…あんだろ!!
兄弟ですとか親戚ですとか!!
ここまで来て、ただ黙ってたって
なんも意味ないべな!」
「もうちょっと待てや」
「もう相当待ってる!」
「お …来たかな?」
「―― え?!」
驚いて、周囲を見回したけど
人影なんかなくて
こいつ…
そう思って睨みつけた真木は
一瞬震えた携帯を握って
気安げに、誰かと喋っている
「… おう、門出てすぐんトコ
あ、コンビニ行ってたほうがいいか?
… サンキュー ごめんな?」
「――… 何した?」
真木はそれに答えず
俺に「乗れや」と一言いって
車をゆっくり走らせた