三人のイケメンパパと、小さな月姫




「オイ 岡田!どこ行く?」


「… 彼氏連れて来るに決まってるすけ」


「どうやって」


「あ…あんだろ!!
兄弟ですとか親戚ですとか!!
ここまで来て、ただ黙ってたって
なんも意味ないべな!」


「もうちょっと待てや」


「もう相当待ってる!」


「お …来たかな?」


「―― え?!」




驚いて、周囲を見回したけど
人影なんかなくて

こいつ…
そう思って睨みつけた真木は
一瞬震えた携帯を握って
気安げに、誰かと喋っている




「… おう、門出てすぐんトコ

あ、コンビニ行ってたほうがいいか?

… サンキュー ごめんな?」




「――… 何した?」




真木はそれに答えず
俺に「乗れや」と一言いって
車をゆっくり走らせた



< 148 / 203 >

この作品をシェア

pagetop