三人のイケメンパパと、小さな月姫



楽しそうに
笑いあっている姿さえ見えてた場面から

… 彼氏の表情が固まり


彼女も両手で顔を覆い
二人の会話は止まって




… もう一本
煙草に火をつけようとした時
自動ドアの 扉が開いた


「――… あのっ!!」


彼氏の声に、俺は立ち上がり
笑顔を向ける真木が、眼鏡を外した




「あのっ…
今、スゲー事、聞いて…
マジで…ホント…なんすか?!」


「どこまで聞いた?」




「――… 赤ちゃん、産んだ…って」


「ホントだよ」




彼氏は、突き付けられた
思ってもいなかったろう現実に
一瞬、めまいを起こした様子で
こぶしを握り、下を向く


だけどすぐに
少し目をしばたかせてから
髪をかきあげ、顔をあげた




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