三人のイケメンパパと、小さな月姫
「んじゃ、またな!!」
「… お疲れ様っした!!」
そろそろ、夜の九時半
十時に、消灯前の点呼があるというので
坂の下のコンビニまで、彼氏を送る
… 結局
彼氏、渡田君が
彼女、井上さんの元を訪ねるのは
今週の日曜日という事になった
まだ、親にも話していない状態で
ただ性急に、事を進めても
混乱が大きくなるだけだからだ
「渡田くん…!」
車から降りた彼氏に
不安げな井上さんが
身を乗り出して叫ぶ
「…井上、俺… ちゃんと、するから」
「渡田くん…」
「明日、外出許可貰って
… 電話じゃ、驚くだろうし
そんで、だから…
俺、
…ちゃんとお前の事、好きだから…!」
「―― うん…!!」
「だー!
バカップルのオトコの方!
これ持ってけや!!」
「え… なんすか?」