三人のイケメンパパと、小さな月姫



だけど走ったのは
ハルトも同じで


「おい!…ハルト!!離してやれ!!」


「痛っ!…通して!!
あず返してっっ!!」



動かなかった真木までが
ハルトの元に、駆け出して来て


静岡と違って
今夜は、少し暑いくらいの 東京の夜


クーラーはついていたけど
ハルト以外は、全員 汗だく




後ろからハルトを抑えようとした真木は
華麗な程の一瞬で、張り倒されるし


俺は井上さんをやっと引きはがして
睨むハルトの腕からも
当たるすんでで逃げたけど


すぐに躊躇無しの蹴りが入れられ
考える間もなく、壁に叩きつけられた




――… こいつ、本気でヤバイ…



だけど
野郎二人


情けなくも、やられっぱなしで
粗く呼吸をしてる、そんな瞬間


思いがけなく俺は
井上さんの


"女の 強さ"を 見た




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