三人のイケメンパパと、小さな月姫
ご両親が駅まで
迎えに来てくれるというので
とは言っても今日は
挨拶する訳にもいかない
駅の近くに着くと
人とタクシーの流れに乗り
軽く、ロータリーを一周
そんな隙間に、白い乗用車が
ハザードを点滅させながら
停まっていた ―――
運転席に居るのは
落ち着いた感じの、少し怖そうな男性
… がんばれ、彼氏
その傍らには、上着を抱える
ふっくらとした、優しそうな女性が
辺りを心配そうに 見回している
「… もしかして、あの人か?」
「あ、はい!
… 岡田さん、すごいですね!
わかりますか?」
「似てる」
そう言うと
井上さんは、嬉しそうな笑顔
「私…お母さん、大好きなんです!」
駅前のオブジェを挟み
真木が、車を停める
「んじゃな!気をつけて行きな」
「はい」
「―― 待って」
ハルトが
井上さんを、引き留めた