三人のイケメンパパと、小さな月姫
"She has…
lived in this town since birth.
This is the town where I was born."
甘く響く
アコースティックギターの音と
真木の声
真木がギターを弾いてるのは
一度だけ見た事あるけど
あの時はエレキギターだったし
かなり派手で、激しい曲だった
… 起き上がって
ドアが開いたままの 寝室に向かう
… 驚く事に
赤ん坊は、泣き止んでいて ――
そして同時に "聴いてる"感じ
とても不思議そうな瞳で
真木の、指の動きを追ってる
… 俺が見ているのに気付いて
真木は、弾くのをやめた
「…続けてよ」
俺がそういうと
真木はウザそうに、口の端だけ上げて
再び太い、ギターのネックを握る
「…泣き止んでるすけ、かなり驚いた…
これ何て曲?聞いた事ないな」
「今、テキトーに作った」
「こういう曲も、弾けるのか…」
「オレはアコースティックから始めたしな
…しばらく弾いてなかったから
エレキより弦、硬いし 少し練習」
スタンドライト
大きなベット
シルク生地の、ワインレッドの寝巻
あぐらをかいて ギターを抱える男
… その側には 赤ん坊が居て ―――
「… 真木、少し そのままで居て」
「あ?」