三人のイケメンパパと、小さな月姫



「…個人差あるけど
きちんと栄養もとっていたせいか
三ヶ月にしては、大きいし」


「―― ハルト」


「…何?」


「…… 俺
この子育てても、構わない」


「――… 呆れた
まともに抱けもしない奴が、何言ってる」


「それは…!!
正直皆には…しばらくは
…迷惑かけるかもしれないけど」


「…キミみたいのが
簡単に子供を捨てるんだよ」


「な…!!」


「おおかた夕べの
"ギター弾きと赤ん坊の情景"を見て
その気になっちゃったんだろうけど」


「そういう言い方は…!」


「仕事しながらどうするつもり?
昼はずっと、託児所に預けるの?」


「あ…」


「真木だって、今は休みだけど
仕事が始まったらキミ以上に
家には居られないよ


… 子供を一人前に育てる気なら
今の仕事をスッパリ諦めて
ご両親のいる地元に戻れ


一つの命を育てるっていうのは
自分の貫きたい夢は、諦めるって事だ」




―――… ぐうの音も、出なかった



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