三人のイケメンパパと、小さな月姫



しばらく留守にすると言う
真木の声に、助けられる形 ――

…ちょっと調子に乗ってた犬が
冷や水をかけられたみたいに
逃げる様にして、仕事場に着いた




「岡田ぁ!来たとこすぐに悪ぃけど
これfunTeckさんに持って行って〜!」


「わかりました!!」


荷物を受け取り
脱ぎかけた上着をまた着て
仕事場の入口を出る




少し寒いけど、快晴 ―――


…ハルトは悪くない
フィルターをかけず
本当の事を言うだけ


鏡みたいなもんだな
だから、怖いんだ




…だって今、俺にこの仕事を


… 映画を撮る事を
諦められるのかって聞かれたら
絶対に無理だ…


前は…
ライバルは大勢いるし
とにかく、好きな女の前に
自信つけた状態で立ちたいって
それが一番の理由だったけど


今は ―――


…この仕事が楽しくて
そんな事とは、関係なくなって来てる…





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