三人のイケメンパパと、小さな月姫



…ハルトが本当に、嫌な奴だったら
"あの子"が 懐くわけがない
ましてや、赤ん坊も




――… やっぱり、心細いっつか
どっか結構 テンパってたのかな


だから普段は
あまり、目にとまらない
屋台の湯気、気になったのかな…


「岡田、これだけ少し
端に置いておいて」


「えっ!あ、了解!」


ハルトに渡されたのは
小皿に入った、澄まし汁


「…味噌、入れる前のか?」


「そう
少し月姫にあげてみる
まだネギも、あまり良くないから
今触ったお箸は入れないでね」


「わ…わかった!

――― つかよ
ハルト赤ん坊の事、月姫って呼んでる?」


「名前が無いと、呼ぶ時困るでしょ」


「…いい名前だな」


「オレ初めて食うわ
イタダキマス!!」


ハルトは真木から、月姫を受け取り
その真木がソッコーで
盛られた椀に、箸をつける




―― ハルトが作ったせんべい汁は
予想以上に美味しく、胃に染みた


… 頑張ろう 俺





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