三人のイケメンパパと、小さな月姫



翌朝 ―――


「ぅおっしゃ!!…行ってきます!」


「行ってらっしゃい」


「…あれ?!ハルト、真木は?」


「朝早く出掛けた」


「そ…っか あ、月姫は?」


「眠ってるよ」


「…写真 撮っても大丈夫かな」


「いいよ」




そっと寝室に入って、激写

…今日は、ピンク色のベビー服に
ガーゼ生地にウサギのついた
よだれかけが 追加されてる


夕べは、あの澄まし汁に
自分から興味持ったみたいに口を寄せて
ふたくち、ちゃんと飲んだ


離乳食って言ったら
最初からなんか、瓶みたいのに入った
ああいう奴食うのかと思ってたけど
全然、違うんだな


… "かっちゃ"
お母さんって、大変だと思った…




「…なあ、ハルト」


「何」


「俺…御礼っつか
そりゃたいした事出来ないけど」


「判りきってる事、言わなくていいよ」


「な…!!
なんか、ハルトの食いたい物とか
帰りさ買って来ようかと思ったのに…」


「いらない

―― 御礼するなら
キミが初めて監督する
映画のチケットでいいよ」









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