三人のイケメンパパと、小さな月姫



現地に着いてからも
俳優さんを乗せて来るはずの車が
チェーンを積んでなくて
雪で動けなくなったり


炊き出し、機材の保温
いい感じになる様に
雪をホウキで掃いたり


それでも、朝方の雪景色は
無事に撮影終了して ―――




撤収しての帰り際
いきなり女優さんに
メアド渡されたりしたけど

…なんだろうな

この仕事についてから
それに関わる女の人に
恋愛感情みたいのは、持った事が無い




理由は わかってんだ


… ひとつは今
ちゃんと、好きな女がいるから


多分 実る見込みは無い


でもそんなもん関係なく
俺は本気で、あいつが好きだ…




そしてもうひとつは


確かにまだまだ
世間から見れば、雑用ばかりだし
一度動けば、眠る時間なんてないけど


他の事でごまかしていた、心の何処かが
ずっとやりたかった仕事に就いて
満たされたからなんだと思う ―――



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