三人のイケメンパパと、小さな月姫



「戻りましたー!!」


「岡田」


「――… あ」


両手に弁当を持って
入口を開けると


着慣れてなさそうな、スーツにパンプス

"新卒です!"の空気漂う
見るからに緊張した女の子が
慌ててコーヒーを置いて、立ち上がり
俺に向かって、お辞儀をした


俺も慌ててお辞儀


奥の部屋から、ボスが顔だけ覗かせる


「役者揃ったから、話そう」


「は…ハイッ!!」

「はい!!」




「岡田、弁当貸しな」


「す、すいません…!」


髭ヅラの林田さんが
俺の両手から、弁当の袋を外してくれて

ロケ車運転、山口さんが
俺の肩を叩き

初ロケが地元の三宅さんが
机に素早く、弁当を配ってくれた…


「早くしろ 岡田」


「は、はい!!」




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