三人のイケメンパパと、小さな月姫



マネージャーの早苗さんは
車をまわして来る為
一足先に、部屋から出ていて


吉田さんや、早河さんと雑談してから
遅れて出て行った真木




慌てて追い掛けた廊下
エレベーターの前に
鞄を持ち、コート姿の真木が
まだ、そこに 立っていた




「 はい 」


「…"はい"じゃないべな!!
さっきの、アズライトの名前
使うってなによ?!」


「彼女達の、デビュー作ですから」


「知ってる!!
そうじゃなくてよ!!!

こ…そんな事しなくっても
ただ普通にすればいいだろ?!」


「主旨が判りかねるので
私なりの、その質問への答ですが

… 一枚目の曲で
売れるアーティストは稀です


まず存在を
知って貰わなければいけない

その為に、社会現象にもなった
アズライトというアーティスト
初の後輩という部分を、全面に推します」


「――― そ…」


「岡田君!!」




早河さんに、腕をつかまれ ―――


「すみませんでした、真木さん」


「いえ お疲れ様でした」


真木はそのまま
エレベーターに 乗った




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