三人のイケメンパパと、小さな月姫
ミチルのワンルーム
一番奥にある、シングルベット
そこで大声をあげている
謎の生物みたいな
フニャフニャした物体
「ひと肌 ひと肌… ひと肌?」
哺乳瓶を 一生懸命頬に当て
結局自分も 一口飲んでから
「よし」と呟き、お湯で消毒
再度、赤ん坊を抱きにかかるミチル
…だけどその手つきは
何だかかなり、危なっかしい
「おいおいミチル!大丈夫か?」
「しょっ…しょうがないじゃない!
私だって赤ちゃんとか
真剣に、初めてなんだから!」
「――… あ、そっか…!!」
「なに今更
そんな事に気がついてんのよ!
…首とかこれが
"すわってる"状態なのか
私には全然わかんないし…
そんなに、ぐにゃぐにゃしないけど
柔らか過ぎて、よく…
淳、なんで私に預けて来たの?」
「マネージャーだから」
「……はぁ
そんな事だろうと思った」
「哺乳瓶とか…買って来たのか?」
「そりゃそうよ!」
「金払う」
「そんなのいいわよ!
…それより問題はさ
淳、明日から どうするの?」
「え…」
「全国的に明日から
春休みが終わるのよ
私も初日から、ビッチリ授業あるし」
「…あああああああ!!」