【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。




ユキノ先輩がすごい顔でこっちを見てるのに、動揺もしないでいつもの爽やかな笑顔を向けてくる。



「次でいいなら、君にも他の女の子達とおんなじことしてあげるよ?」



おんなじこと………?


えっと……告白しに来た女の子達とって意味?


第二ボタンまで大きく開かれた胸元を気にもせず、堤先輩は妖しい声を漏らす。



「なんなら、今からしてみる?」



ニッと笑って私の頬へと手を伸ばした。


堤先輩の指先が触れたその瞬間ーーーー



「コイツ、俺のだから触らないでくれる?」


「は……?」



背後から降ってきた低い声に、今度は私のマヌケな声が零れ落ちる。


同時に、強張った私の肩に回された腕………。


そして、骨ばった大きな手は、私の肩をしっかりと掴んでいた。



< 10 / 346 >

この作品をシェア

pagetop