【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
そして、気配が消えて振り返った時には。
桐生秋十とルルちゃんはもうその場にはいなくて、街灯がチカチカ光っていた。
その時、私は思い出す。
初めて桐生秋十に出会った日のことを。
今日みたいに、気づいたらもう家のそばまで来ていて、それが桐生秋十のおかげだったこと。
けど、振り返った時にはもう姿がなかったっけ。
ーーーパタンッ
家の中へ入り私はその場にヘタリと座り込んだ。
なんて一日だったんだろう………。
ここのところ自分にそんなことないって頑なに言い聞かせてきたけど、大嫌いなアイツが、優しいヤツだって知ってしまったみたい……。
まだ、胸の高鳴りが止んでくれない。
こんなにドキドキした日曜日は、初めてだった。