【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
「お前、朝から俺のこと避けすぎだろ?」
「えっ、」
それは事実だけど……。
だって私はアンタのことがわからないから、こうやってずっと考えちゃって、どう接したらいいか困ってるんだよ。
今までみたいに無視を決め込めばいいけど、どうしてかそれが出来なくなっちゃって……。
「おい、仁菜?こっち向けよ」
「や、やだよ……!」
「向けって言ってんの」
……と。
机の下でYシャツの袖を引っ張ってきて、つられるように隣へと目線を移せば、パチっと目が合ってしまった……。
「お前、なんか変」
「私が変……?」
眉根を寄せた桐生秋十の黒い瞳が訝しげに私を見つめていて、たちまち頬が熱を帯びる。
………私、本当におかしいんじゃない?
昨日の出来事のせい?