【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
「熱でもあんのか?」
スッと伸びてきた手は私のおでこに触れる。
「ひゃっ……、」
「……熱はないな」
ーーードキッ
パッと手を放した桐生秋十はちょっと考える素振りをした。
なんで、こんなヤツに私の心臓は反応してるの?
いやいや、今のは予想外のことで不可抗力ってやつで……。
言い訳じみたことを重ねていれば数学の授業は終わりを迎え、休み時間へと突入した。
「ニーナ、ひでぇ顔。寝不足か?」
くるりと椅子ごとこっちを向いた颯太は、私の前の席だったなぁ、なんてそんなことを思った。
「そう……全然寝れなくて……、」
「眠れないくらい俺のこと考えてたの?」
え……?
隣から爆弾を投下してきたのは言うまでもなく桐生秋十だった。
「ち、ち、違うから……!自意識過剰なんじゃないの!?」
「ぷっ。過剰反応するってことは、図星?」