【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。



 *


「蜷深!ごめん、待った?」


「う、ううん!全然!少しもっ!」



遂に山本くんと帰る放課後がやって来てしまった!


変な緊張感と急に降りだした雨のせいで蒸し暑くて、脇汗が……。



「あはは!って……雨降ってきたなぁ。蜷深、傘持ってきた?」



靴を履き終えた山本くんが私へ問いかける。



「じ、実は、私傘持ってくるの忘れちゃって……」


「じゃ、オレの傘に入りなよ?ほら」


……と。

昇降口へ出ると青い傘を広げて手招きした。


こ、これは、相合い傘では……!?


躊躇ったものの一緒に帰る約束をしたのに入らないなんて、おかしすぎだよね?



「ありがとう、山本くん……お言葉に甘えて」


「どーぞどーぞ!」



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