【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。




他愛もない会話をしながら雨道を歩いた。



「へぇ。蜷深って、小学校の時に引っ越してきたんだ?しかも、林町ってわりと近いじゃん!」


「うん。自転車でも行けるかも」



そんな話を皮切りに、古田先生ことブルの愚痴や、サッカー部の練習メニューがキツいとか、夏休みに河川敷で夏祭りがあるとか。


そこからは一方的に話してくれるからおかげで会話に困ることはないけど。


私、さっきから「うん」とか「そうなんだ」しか言ってないんじゃ……?


颯太以外の男子とは滅多に話さないから、私が免疫なさすぎなだけなのかもしれない。



「蜷深ってさ、今は彼氏とかいんのかよ?」


「え!?か、彼氏なんて、私は一度も出来たこともないよ……」


「だよな?前に富樫と話してたもんな?つか、いたらお前、オレと帰ったりしねぇもんな?」



お、お前って……。


山本くん、なんだかさっきから口調が荒々しいような気がするのは気のせいかな……?



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