【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
「は………?お、お母さ…ん……?」
振り向いた山本くんは目を見開いて私を見る。
ドクドクと脈打つ心臓の音が暴れ出して、どうもこの怒りを抑えきれそうにない。
「っ、……お母さんの悪口言うなぁああああ!!」
もう我慢なんて出来ない!!
いいや……する必要なんてこれっぽっちもない!
「お、おい?にな、み………?どうし……、」
「恥ずかしい?死にたくなる?なんにも知らないクセに、勝手なこと言わないで!」
「…………はっ?」
突然、傘の中から勢いよく身体を引いた私が大声で叫ぶから、山本くんは顔をひきつらせる。
けど、私はもうブレーキが効かない車みたい。