【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。





「は………?お、お母さ…ん……?」



振り向いた山本くんは目を見開いて私を見る。


ドクドクと脈打つ心臓の音が暴れ出して、どうもこの怒りを抑えきれそうにない。



「っ、……お母さんの悪口言うなぁああああ!!」



もう我慢なんて出来ない!!

いいや……する必要なんてこれっぽっちもない!



「お、おい?にな、み………?どうし……、」


「恥ずかしい?死にたくなる?なんにも知らないクセに、勝手なこと言わないで!」


「…………はっ?」



突然、傘の中から勢いよく身体を引いた私が大声で叫ぶから、山本くんは顔をひきつらせる。


けど、私はもうブレーキが効かない車みたい。



< 146 / 346 >

この作品をシェア

pagetop