【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
「お母さんが、どんな思いで働いてるかなんて、わからないでしょ!?弱音一つ吐かずに辛くても頑張ってるんだから……!!口紅だってすり減っても、我慢して使ってるんだからね……!!!」
息があがる……。
お母さんという人は、みんな子供のために、家族のためにって、そうやっていつも頑張ってるんじゃないのかな……。
「し……知るかよそんなことっ!!!つぅか、いきなりなんだよっ!!頭おかしいんじゃねーのか!?」
「おかしくていい……っ、それに、死にたくなるなんて……そんなこと、簡単に口にしないで……」
本当に、私はどうかしてるのかもしれない。
けど、軽々しく口にしたその言葉が、どうしても許せなかったのは、お父さんのことを思い出したからだろうか……。
どんなに願っても、明日を生きていきたかったお父さんに、私はもう二度と会えないからだろうか。
「ハッ!キモっ……。この、偽善者が。オレがなんて言おうと勝手だろ!!」
「……じゃあ、家族の前で言ってみなよ……今のその言葉が、どれだけ悲しいか…!!」
ーーーダンッ!!
「黙れ……黙れよ!!このバカ女が!」