【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
挑戦的な台詞を躊躇なく堤先輩にぶつける。
「……そっ、それだけは!!」
「困るんだったらこんなことしてんじゃねぇよ。秀才が聞いて呆れる」
「……クッ。ゆ、ユキノ、もう行こう………!ここは危険だ!」
危険って、アナタが言えることじゃないんじゃ……。
「ちょ、ちょっと、堤くん……!?」
ユキノ先輩の手を掴んで強引に引っ張ると、二人は逃げるようにこの場から立ち去っていった。
まるで、悪い夢でも見ていたみたい………。
私の告白しようとした決心を返してほしい!
「……で?お前は、ここで何してたわけ?」
ヒィッ!
この男の存在にドクリッ、と心臓が揺れる。
取り残された私は、触れられたその手に背筋がヒヤリとした。