【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
「……っ、…苦し……いてぇよ、頼むから離せ…」
「アキ。吊るしてやりたいとこだとは思うけど、そろそろ離してあげなよ?」
桐生秋十の後ろから再び声がしたと思ったら、少し離れたところでしゃがんでいる無表情の晴くんが、ひょっこり顔を出した。
は、晴くんも一緒だったなんて………。
「晴は甘いんだよ。それに俺は吊るしたりしない。埋める方が顔見なくて済むしな」
「そっか。シャベル持ってこようか、アキ?」
相変わらず、いつもちょっと怖そうな表情をした晴くんは淡々と問いかける。
「っ、ま……マジで、苦しいって!頼むから、許してくれ!」
桐生秋十は許しを乞う山本くんを視界の隅に入れ、忌々しそうに舌を打つと乱暴に手を放した。