【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。




とんでもないハプニングの起きた昨日と同様に、しとしと雨が降っている。



私は席から窓の外をぼんやり眺めていた。


昨日の夕飯の時、コーヒーの提供が遅い!とお客さんを怒らせてしまったって、凹んでいたお母さんを思い出した。



その日は、新人さんの教育中だったらしい。


改めて、お母さんは私のために仕事を頑張ってくれているんだなぁって染々思ったんだ。



「ねぇ、蜷深。アレ、日和はなにしてんの?」



臨海学習がいよいよ二日後に迫っている今日。


お昼休みを迎えたところで晴くんがやってきた。



「……えと、ひーちゃんと颯太はなんていうか、取り調べ?」


「取り調べ?なにそれ。日和は、いつから刑事を目指し始めたの?」


「……、」



昨日のことには触れずに今日も笑顔のない晴くんが、不思議そうに目線を移した場所。


そこには、山本くんを攻撃するひーちゃんの姿がある。



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