【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
きっと、本当の桐生秋十は大魔王なんかじゃないよって、伝えたいのかもしれない。
「あ、変な意味じゃないから」
「……うん。わかってるよ」
「オレは女の子が好きだから」
晴くんのそんな返しについ口元が緩んだ。
「女の子って、晴くんは好きな人いるの……?」
「いるよ」
晴くんってば意外……。
まさかこんなあっさりと答えるなんて。
「も、もしかして……その、好きな女の子って。ひーちゃん、のこと?」
だって二人は幼馴染みで子供の頃は毎日一緒だったんだ。
さっきの発言だって好きって言ってるみたいだった。
それに未だに山本くんを攻め立てるひーちゃんを見つめる晴くんの瞳は、私には優しく映るんだよ。