【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
何度も何度も頭の中で広がる光景。
長い前髪、甘くて濃厚な香り、伏し目がちな瞳。
昨日の……突然のキスが私を悩ませている。
「………なみ、」
当の本人は、やっぱり熱が上がったらしく欠席。
果たして明日の臨海学習には来れるのかなって、ひーちゃんは朝イチ私に問いかけてきたけど。
顔を合わせるなんて私にはとても無理……。
「……に、……てるのか!?」
だって、キスなんてされたら……。
アイツは宣戦布告なんて宣言してきたけど。
私にキスするって一体なに考えてるわけ……?
「蜷深仁菜ーーーー!!!」
「ヒィッ………は、はいぃ…………!!」
大変だ……。
私ってば、今は授業中だっていうのに……。