【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
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家に帰ってからボストンバックを引っ張り出して、臨海学習の準備を始めたけど、なかなか進まない。
ある日の桐生秋十と颯太の会話が頭を過ってからずっとだった……。
ーーーー“友達の壁ぶっ壊せないお前よりマシ”
席替えしてから桐生秋十が颯太に言った言葉。
さっきの颯太の真剣な顔。
まさか颯太が私を……。
って、そんなことあるわけない。
「あら、まだ支度終わらないの?もうご飯出来てるわよー」
二つ返事で部屋を出ると、テーブルの上にはカレーとフレッシュサラダが並んでいた。
「お父さん、遠足の前の日なんかはカレーがいいって言っていたじゃない?力をつけなきゃって」
「お母さんのカレー大好きだったもんね」
ジャガイモが大きくて食べごたえがあるんだって、おかわりしてたのを覚えてる。
カレーを食べていると、お母さんがニコニコしながら私を見つめる。