【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
ズイっと顔を寄せて疑うような眼差しを送る。
ーーードキンッ
「おい、仁菜?」
もう、やだ………。
全然いつも通りに出来ない。
その唇が不思議そうに私の名前を呼ぶから、頬が焼けるような熱さに包まれた。
突然……、宣戦布告だと、キスされたことが浮かんでくる。
「変じゃないったら……変なのは、アンタの方だって言ってるでしょ?いきなりキスしてきたり……っ、」
もうっ、私は……救いようのないバカだ……。
なんて、気づいても後の祭りだけど。
こんなことを口走るなんてどうかしてる。
「お前が俺のことわかってないからだろ?だからキスした」
そ、それって……。
私の心情を知る由もない桐生秋十は真面目な声で答える。