【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
「……っ、」
射るように私を捉えて離さない黒い瞳は、いつだって真っ直ぐに私を見つめる。
そんな真剣な顔されたら、何も言えなくなる。
「おーい!ニーナも桐生くんも、いつまでゴミ拾いしてるのー?」
ひーちゃんだ………。
飛び付くように顔を上げれば少し離れた場所から、ひーちゃんがこっちに向かって叫んできた。
「……ご、ごめん!今行くね!」
全くゴミ拾いしてないじゃない!って、怒られちゃうかもしれない。
「これ……、」
頭に乗せられたタオルを桐生秋十へと差し出す。
「顔、赤いな?全然日除けになってねぇし」
自嘲気味な笑みに胸はトクンと疼いたのだった。