【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
こんなに綺麗な海が目の前でキラキラしてるっていうのに、泳いだり海の中で遊んだりするのはおあずけなんて……。
「しょうがないわよ。万が一、水難事故なんて起きたら大変なんだからね?ふてくされないでよっ。子供かって!わたしだって、ビキニが無駄だったんだから!!」
「は?日和のビキニなんて見たら、三日はうなされるっての!」
ーーードゥクシッ!!!
当然、ひーちゃんの蹴りをくらったのは言うまでもないけど。
「………つか、ここからは自由散策だろ?オレのスケジュール崩れたわ」
脇腹を抑えながら颯太が唇を尖らせる。
どうやら颯太は海で遊ぶってスケジュールを立ててたみたいだ。
私だって楽しみにしていたよ。
そりゃ、ダサい学校指定の水着だけどさ……。
ーーーピシャッ!
「………きゃっ!?」
突然、私の左隣から飛んできた水が頬に当たる。
「相変わらず隙だらけだよな、お前って」
挑戦的な台詞と一緒に鼻で笑う声がした。