【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
「てめぇ……っ、よくそんなこと言えるな?」
ダメだ、颯太がすごく怒ってる。
颯太は苛立ちを全開に舌を打つと腰を上げた。
私は急に不安に駆られる。
自分のことなんだから割って入らなきゃ。
焦り出したその時……、
「いってぇなっ!!なにすんだよ!?」
颯太のTシャツの襟を掴んだのはひーちゃんだ。
「やめなさいよ、颯太?アンタは本気で殴りそう。学年主任のブルの耳に入ったら、即刻謹慎になるわよ?いいのね?」
ムゥっと眉を寄せて颯太の行き先を阻む。
「日和……なんのつもりだ?謹慎くらいくらってやる!オレはもう大魔王相手に黙ってねぇって決めたんだよ!」
「……まったく。このくるくるパー!ここで問題起こしてどーすんの!?いい?そういうのは、ニーナがいないとこで、」
まるで、子供に叱りつけるお母さんのように仲裁に入ったひーちゃんの声が、完全に止まった。