【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
「ひ、ひーちゃん………?」
これから雨でも降るかのように曇り出したひーちゃんの表情に、思わず遠慮がちに名前を呼んだ。
パッと、颯太の襟を解放したひーちゃんの視線の先には、
「晴………、」
ひーちゃんの不安そうな声が落ちる。
少しだけ離れたところに晴くんの姿がある。
辺りにはそれぞれのグループが活動していたり、水遊びをしながらお喋りしていたり。
けど、晴くんだけは一人ぼっちだった……。
「あー、ね?顔は悪くないんだけどね?」
……と。
晴くんを不審そうに見つめる女の子が数人いる。
「でも、同じグループだっていうのに、全然喋らないしつまんないよ?しかも、笑わないしさっ」