【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。




明らかに晴くんのことを言ってる………。


予想もしなかった言葉が飛んできて、心配になってひーちゃんを見ると、じっと黙ったままで。


けど、髪の先まで怒っているのが私にはわかる。


小学校の時。

ひーちゃんはよくこんな風に怒った顔をしてみんなを見ていたから。



「てかさ、笑わなすぎじゃない……?」


「うんうん。笑ってるところ見たことないよ」



ダメ……それ以上、なにも言わないで。



ーーーー“晴も頑張ったんだよ。いっぱい頑張って……やっと、やっと笑ったの。だけど”



ひーちゃんの悲しげな顔が脳裏に蘇った瞬間。



「……いやぁ、気持ち悪いって。笑わなすぎ」



容赦なく吐き出された心ない言葉に、この場にいた誰もが、瞬く間に凍りついたと思う。


だけど、次にひーちゃんを見た時には、



「……っ、………痛っ!!?」



え……?

ひ、ひーちゃん………!?



「誰よ……っ、貝殻なんか投げてきたのは!?」



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