【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
「だって!富樫さんがわたしに……っ、」
「見てたよ。でも、それは多分オレのせいかも?」
「………は?た、滝澤くんのせい?」
目を見開く彼女に晴くんは全てを見透かした口ぶりで「そうそう」と答えると、パッと彼女の腕を離した。
「オレ、気持ち悪くてごめんね?」
「…………っ!!!」
淡々と言う晴くんにギョッとした彼女は、逃げるようにこの場から立ち去っていく。
「あっ!ひーちゃん………!?」
今にも涙が零れ落ちそうなひーちゃんが、慌てて晴くんに背中を向けた。
待ってよ、ひーちゃんが逃げることなんかないのに!
……そもそも、なんでひーちゃんは、いつも晴くんから逃げるの?
ーーーグイッ!
だけど、そんなひーちゃんの二の腕を晴くんが引っ張った。
私達の目の前で堂々と強く抱き締める。
ひーちゃんのポニーテールが宙に揺れる。
……………は、晴くん!?