【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
ーーーチャプン……
「あーっ、極楽極楽って感じ!」
「だから、ひーちゃんおっさんクサいってば!」
夕食を済ませたあとは入浴タイムだ。
大浴場に浸かるひーちゃんの目がまだ赤い。
きっと、今まで、晴くんへの思いを我慢してきたんだね。
「……ひーちゃん、私。全然気づいてあげられなかった。ごめんね?」
広々とした大浴場にちっぽけな私の声が反響する。
ずっと一緒にいたっていうのに。
自分のことばかり相談していて、それをひどく情けなく思う。
改めて、私は、ちっともわかっていなかったなぁって反省……。
「ううん。素直になりなよなんてニーナに偉そうなことばっか言ってて、わたしの方こそごめんね……?」
火照る顔をこっちへ向けて謝るひーちゃんに、首を横に振る。