【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。





「あ。なぁ、ニーナはどこにいたんだよ?肝試し、来なかったろ?」



ギクッ。

実は……。

あの夜のことは部屋に戻ってからひーちゃんにだけ打ち明けたんだ。


ブルにお説教されたにも関わらず、心配して私のことをずっと待っていてくれたひーちゃん。



「……ニーナは棄権って言わなかったっけ?」


「棄権?いや……聞いてねぇし!」


「あっそ。とにかく、颯太のくるくるパーのせいで、最悪な思い出になったわけよ!」



ひーちゃんの助け船にホッと胸を撫で下ろす。



「じゃあさ、日和。夏祭りでも行く?」



ひーちゃんの隣にいた晴くんが陽気な声で提案してくる。



「夏祭りって、毎年河川敷でやってるやつ?」


「うん。みんなで行かない?きっと楽しいよ」



海でひーちゃんと想いが通じ合った晴くんの顔は、心なしか穏やかに見える。



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