【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
「ニーナの笑った顔も、どんくさいとこも、しょーもない考えで日和に怒られてるとこも。全部……オレだけのものだったらいーのにって」
ぎこちなく笑みを零す颯太に、私の心は締め付けられる。
颯太は太陽みたいに眩しくて。
颯太の隣は、いつも居心地がよくて。
無邪気な笑顔を見ていると、どんな時もこっちまで笑っちゃうんだ。
私の良いところなんて一つもないのに。
それでも、颯太はそんな私の欠点を拾ってくれた。
私を見つめる眼差しがいつも優しくて、お日様みたいに温かくて。
この先。
私と颯太の関係が変わってしまうかもしれないと思っても、真っ直ぐな声から、目を背けることは出来なかった。
「彼氏……オレにすれば?大魔王より優しくする自信あるよ?」
くしゃり、と。
その言葉通り優しく私の髪を撫でる。
いつも隣にいてくれたのは颯太で。
私にとっても颯太は特別な男の子だった。