【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
「……さ、散歩、」
「どこが散歩なんだよ。さっきからずっと突っ立ってたろ?暑さにやられたか?」
フッと笑みを漏らす秋十が私へと足を進める。
いつから見られてたんだろ………。
確かに、こんなところに突っ立ってたのは事実なんだけど。
「そういや、晴から聞いた。お前も夏祭り来んの?」
「え、いや。まだ……考えてるっていうか、」
「そんな悩むほどのことじゃないだろ?」
目の前で足を止めた秋十がまたクスッと笑う。
そんな仕草にさえも私の鼓動は反応しちゃうから、自分でも本当に困る。
「……終業式のこともあるし」
「ふーん。それは悩むよな?お前の負け確定だもんな?」
「うっ……、」
「なんでも言うこときくんだろ?」