【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
「いつも俺を見てた。お前も、俺を嘘つきだって思ってるクセに、って……どれだけ暴言吐いても、先生だけは何も言わずに笑ってた」
「お父さんが……、」
ゆっくりと。
たっぷり汗をかいて強張った手の力を抜きながら、視線を上げる。
「俺を見る先生の目は、いつも優しかった……」
ふわり、と。
淡く微笑んだ秋十は空に溶ける夏の雲みたいで。
ふと、遠い彼方を見上げて、再び言葉を紡ぐ。