【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
だけど、私はーーーー、
「お前は、先生のこと思い出さないようにしてた。いつもひたすら黙って、忘れたみたいな顔して……」
「っ、」
「だからーーー、」
秋十が私を射るように見つめる。
子供の頃に戻ったような、真っ直ぐな瞳。
「お前、ムカつく……」
その言葉の本当の理由を、今頃になって、私はようやくわかった。
責めているような瞳が、睨んでいる瞳が。
私には痛くて。
その度に、いつも逃げたくなって。
「思い出から逃げるなよ……」
いつだって逃げてきたのは私の方だった。
「俺はそんなお前が大嫌いだ……」
ようやく気づいた私に振り降ろされた言葉。
温度のない冷たい声が深く突き刺さる。
本当のきみを知った時。
私達の距離はもっと遠くなった。
ーーー子供の頃より、ずっと