【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
ーーーー“ニーナが堤に告白するって聞いた昨日の昼休み、すごい大騒ぎだったんだよ?”
「ほんとはアレ、嘘よ、嘘」
「…………嘘!?」
驚く私にひーちゃんはクスクス笑ってる。
てっきり噂を聞いたクラスメイト達が騒いでたのかなって、私はそう思ったんだけど。
「日和、大騒ぎは嘘だよね。だって、アレってもう、なんていうか……」
晴くん……?
「焦ってた……って感じよね?」
「あ、焦ってた……?」
訳がわからない私と颯太をよそに二人は得意気な顔をしてみせる。
「ニーナが生徒会長の堤に告白するって、噂が流れてたのはほんとよ?でも、それを聞いて焦ってたのは、桐生くんだもんーーー」
え……?
「どこに行ったかわたしに聞いてきて、桐生くんってば、血相変えてスパーって、飛び出しちゃうんだもんっ」
高鳴る胸が早鐘を打ち付ける。
ああ……そんなことって、あるのかな。
ーーー今すぐ、きみに逢いたい