【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
降り積もった思い出が私の中で蘇った。
大嫌いなきみと決別したかったのは私自身。
ーーーー“一年以上、目も合わせなかったクセに”
その黒い瞳から逃げてきたのも、私だった。
ーーーー“なんで今、お前の声聞かせてくれんの?”
その声を、聞きたくなくてずっと無視してきた。
ーーーー“俺はそんなお前が大嫌いだ”
たった一度。
きみから言われた“ 大嫌い ”………。
それがこんなに痛いなんて知らなかった。
だけど、私は。
ーーーー“アンタなんて大嫌い!”
何度、そう言ったかな?
何度、傷つけたかな。
何度、傷ついたかな。
それでもきみは、諦めなくて。
ーーーー“お前の声が聞けるなら”
きみは、いつだって真っ直ぐで。
私は、今……どうしようもなく。